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省エネ性能表示ラベルとは?意味や住宅選びのポイントも解説

家づくり

住宅や建物の「省エネ性能表示ラベル」を見かけたことはありませんか?資源やエネルギーの無駄を省くことが重要視される今、「このラベルは何を意味するの?」「どんな基準で評価されているの?」と疑問に思う方も多いはずです。この記事では、省エネ性能表示制度の概要やラベルの見方、活用方法、さらに今後の展望についてわかりやすく解説します。省エネ性能表示を正しく理解し、賢く住まい選びに役立てましょう。


省エネ性能表示制度の概要

省エネ性能表示制度は、建築物の販売や賃貸時に、その省エネルギー性能を明確に示すことを目的とした制度です。これにより、消費者は建物のエネルギー効率を容易に比較・検討できるようになります。

この制度の背景には、地球温暖化対策やエネルギー資源の有効活用といった社会的課題があります。建築物のエネルギー消費は全体の約30%を占めており、その削減が求められています。省エネ性能の高い建物の普及を促進することで、持続可能な社会の実現を目指しています。

制度の対象となる建築物は、2024年4月1日以降に建築確認申請を行う新築の住宅や非住宅建築物で、販売または賃貸を目的とするものです。具体的には、分譲住宅、賃貸マンション、オフィスビルなどが該当します。一部例外として、注文住宅など“個人が建てる住宅”は表示の対象外です。

この制度は、2024年4月1日に施行され、建築物省エネ法に基づいています。これにより、販売・賃貸事業者は広告やパンフレットなどに省エネ性能ラベルを表示することが求められます。表示を怠った場合、国土交通大臣からの勧告や公表、命令といった措置が取られる可能性があります。

以下に、制度の概要を表にまとめました。

項目 内容
目的 建築物の省エネ性能を明示し、消費者が比較・検討しやすくする
対象建築物 2024年4月1日以降に建築確認申請を行う新築の販売・賃貸用建築物
施行時期 2024年4月1日

この制度の導入により、省エネ性能の高い建物が市場で選ばれやすくなり、エネルギー消費の削減や環境負荷の低減が期待されています。


省エネ性能ラベルの構成と各項目の意味

省エネ性能ラベルは、住宅や建築物のエネルギー効率を一目で理解できるように設計されています。各項目の意味を詳しく見ていきましょう。

まず、ラベルの中心的な要素であるエネルギー消費性能についてです。これは、建物が国の省エネ基準からどれだけエネルギー消費を削減しているかを示す指標で、星の数で表現されます。再生可能エネルギー設備の有無により、評価の段階が異なります。

再エネ設備の有無 評価段階 削減率
なし 5段階 0%未満(星なし)から30%以上(星4つ)
あり 7段階 0%未満(星なし)から50%以上(星6つ)

次に、断熱性能です。これは、建物の熱の逃げにくさや日射熱の入りやすさを評価する指標で、家の形をしたマークと数字で示されます。等級は1から7まであり、数字が大きいほど断熱性能が高いことを意味します。等級4が現行の省エネ基準適合レベル、等級5以上がより高い性能を示します。

さらに、目安光熱費という項目もあります。これは、住宅の省エネ性能に基づいて算出された年間の光熱費の目安を示すもので、電気やガスなどの年間消費量に全国統一の燃料単価を掛け合わせて算出されます。ただし、実際の光熱費は居住者の生活スタイルや契約する燃料会社の単価などによって異なるため、あくまで参考値として活用することが重要です。

また、ZEH水準という項目もあります。これは、エネルギー消費性能が星3つ以上、かつ断熱性能が等級5以上の場合に達成となり、チェックマークが付与されます。ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、2030年以降の新築住宅が目指す省エネ性能の水準とされています。

最後に、ネット・ゼロ・エネルギーという項目があります。これは、ZEH水準を達成した上で、太陽光発電などによる創エネルギーで年間のエネルギー収支が一定以下となる場合に達成となり、チェックマークが付与されます。これは、第三者評価時に表示される項目です。

これらの項目を総合的に理解することで、住宅や建築物の省エネ性能を正確に把握し、よりエネルギー効率の高い住まい選びに役立てることができますが、やや専門的な内容なので、気になる方は販売担当に確認するのがおすすめです。


省エネ性能ラベルの活用方法

省エネ性能ラベルは、住宅のエネルギー効率や断熱性能を一目で把握できるツールです。これを活用することで、購入や賃貸の際により良い選択が可能となります。

まず、住宅を選ぶ際には、ラベルの以下のポイントを確認しましょう。

  • エネルギー消費性能:星の数が多いほど省エネ性能が高いことを示しています。例えば、星3つ以上であれば高い省エネ性能を持つ住宅と判断できます。
  • 断熱性能:家のマークに記載された数字が大きいほど断熱性能が優れています。等級4以上であれば、快適な室内環境が期待できます。
  • 目安光熱費:年間の光熱費の目安が記載されています。これにより、将来的なランニングコストを予測できます。

省エネ性能の高い住宅を選ぶことには多くのメリットがあります。

  • 光熱費の削減:エネルギー効率が良いため、冷暖房や給湯にかかる費用を抑えることができます。
  • 快適な住環境:断熱性能が高い住宅は、冬暖かく夏涼しい快適な室内環境を提供します。
  • 資産価値の維持・向上:将来的に省エネ基準が厳格化される中、高い省エネ性能を持つ住宅は市場価値が高まる可能性があります。

さらに、ラベルを活用してエネルギーコストの比較を行うことも重要です。下記は参考例です。実際の費用は地域や契約内容により異なります。

住宅タイプ エネルギー消費性能(星の数) 年間目安光熱費
住宅A ★★★ 120,000円
住宅B ★★★★ 100,000円
住宅C ★★★★★ 80,000円

このように、エネルギー消費性能が高い住宅ほど、年間の光熱費が低くなる傾向があります。購入や賃貸を検討する際には、これらの情報を活用して、経済的で快適な住まい選びを行いましょう。

省エネ性能表示制度の今後の展望と注意点

省エネ性能表示制度は、建築物のエネルギー効率を明確に示すことで、消費者の選択を支援し、環境負荷の低減を目指す重要な取り組みです。今後、この制度はさらなる進化と拡充が期待されています。

まず、制度の改正予定についてです。2024年4月から、新築建築物の販売・賃貸時における省エネ性能の表示が努力義務となりました。これにより、事業者は広告やパンフレットなどで省エネ性能を明示することが求められています。さらに、2025年4月以降は、全ての新築建築物に対して省エネ基準への適合が義務化される予定です。これにより、建築確認申請時に省エネ基準への適合性が審査され、基準を満たさない建築物は着工が認められなくなります。1

次に、ラベル表示の義務化に伴う事業者の対応状況についてです。新たな表示制度では、国が定める様式のラベルを用いて、省エネ性能を明示することが求められています。これにより、消費者は建築物の省エネ性能を容易に比較できるようになります。事業者は、広告やホームページなどでこのラベルを適切に表示する必要があります。2

最後に、消費者がラベルを正しく理解し、活用するための注意点を提示します。省エネ性能ラベルには、エネルギー消費性能や断熱性能、再生可能エネルギー設備の有無などが記載されています。消費者は、これらの情報を正確に理解し、自身のニーズに合った建築物を選択することが重要です。また、ラベルの情報が最新であることを確認し、仕様変更などによる性能の変化がないか注意する必要があります。3

以下に、制度の改正予定と事業者の対応状況、消費者の注意点をまとめた表を示します。

項目 内容
制度の改正予定 2024年4月:新築建築物の省エネ性能表示が努力義務化
2025年4月:全ての新築建築物に対する省エネ基準適合が義務化
事業者の対応状況 広告やホームページでの省エネ性能ラベルの適切な表示が求められる
消費者の注意点 ラベルの情報を正確に理解し、最新の情報であることを確認する

省エネ性能表示制度の進展により、建築物のエネルギー効率に対する意識が高まり、より持続可能な社会の実現に寄与することが期待されます。

まとめ

省エネ性能表示ラベルは、これから住宅を選ぶ際にとても重要な目安となります。星の数や断熱等級などの表示により、住宅の省エネ性能を視覚的に把握できるようになり、目安光熱費といった項目によって、エネルギー消費や断熱性能がひと目でわかるため、省エネ住宅の比較がしやすくなりました。今後も制度の拡充が進み、私たちの暮らしや選択肢がさらに豊かになることが期待されます。正しい理解を持って賢く活用し、安心して住まい選びを進めましょう。

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